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映画の紹介「End of the Spear(最後の槍)」(1月26日霊想より)

abikoch

 私は、妻の友人にこの映画を紹介されました。この映画は邦訳がされていませんが、宣教を考える上で、また私たちクリスチャンがどのような生き方をし、宣教師たちを助けるかを考えるうえで大切な映画です。イエスの御足の跡を従う生き方は、決して平たんな道ではなく、実は血にまみれた道です。恐ろしく、通常の罪びとには不可能な生き方です。しかし、その結果私たちは今、聖書の福音を聞くことができ、イエスを信じることができるのです。


【あらすじ】

 うっそうと繁るエクアドル東部ジャングル。そこには蛮族のなかで最もどう猛と言われるワオラニ族が住んでいます。彼らに「神の愛のメッセージ」を伝えようと5人の青年宣教師が立ち上がりました。最初は小型機で空から呼びかけながら物資を投下するなどして友好関係を結んだのですが、クラライ川沿いに 砂地をみつけて着陸してまもなく、ジャングルの茂みから突如襲ってきたワオラニ族の毒槍に5人とも倒れます。今から70年前、1956年1月8日の出来事でした。この衝撃的なニュースはただちにHCJB放送局から短波にのせて全世界に伝えられ、もうだれの目にもワオラニ伝道作戦は失敗に終わったとしか映りませんでした。それから半世紀後、殉教した宣教師物語が後日談をふくめて映画化され、アメリカ全土の映画館で上映されることになりました。


 この映画は、小型機のパイロットNate Saintの長男で当時8歳だったSteveの回想ナレーションでストーリーが展開します。


 父(Nate Saint)と息子(Steve)が、最後のお別れになる父の飛行直前に交わした会話。「お父さん、ワオラニ族が攻撃したらどうするの?鉄砲は撃つよね。」「Steve、僕たちはワオラニ族に鉄砲は撃てないよ。なぜなら、彼らは天国に入る準備がまだされていないから。僕たちは準備されてるけど。」


 その後、宣教師たちが毒槍で殺され、Nateの実姉Rachelや宣教師未亡人のElizabeth ElliotとMarj Saintが子供たちを連れてワオラニに入り、夫を殺した本人やその家族といっしょに住みはじめます。ワオラニ族は宣教師家族と寝食をともにすることで、自分たちの「殺さなければ殺される」報復の生き方ではなく、「ゆるし」による愛と喜びの生活があることに気づくのです。彼らの目には、あの日、毒槍に囲まれながらピストルを上に向けて発射した宣教師たちの最期の姿がしっかりと目に焼きついていました。ポリオ(小児麻痺)がジャングルを襲ったとき、ワオラニ族が 仇敵に救いの手を差しのべたことから、部族間の冷えきっていた関係が氷解、 毒をぬられた長い槍は彼ら自らの手で折られます。


 映画のラストは、Steveが父親を殺したワオラニ族とクラライ川で再会する劇的シーンです。「父親を殺した張本人の俺を殺したいだろ。さあ、この槍で突け!俺がいのちを奪ったのだ!」


 そのときSteveは、その槍をかまえて相手に突きつけながらこう叫びます。「父は誰からもいのちを奪われたのではない。自分でいのちを捧げたのだ!」


 殉教者の血で染まったクラライ川の水は、ワオラニ族にバプテスマをさずける水となり、さらに、父親を殺された子供たちも、同じ川の水で、ワオラニ族からバプテスマをうけるのです。HCJB番組に出演した Elizabethさんはこう語りました。「神は、無限で、測り知れない方で、その方のなさることを私たちは頭で理解することなど出来ません。私たちにできることは、その方を信頼することだけです。神が私たちになさることは、神ご自身がすべてをご存知だからです。」クラライ川は、悲しみも喜びも川面にたたえながら静かに流れていきます。秘境に散った5人のいのちは、憎しみを愛に、争いを平和に変えました。神の愛を知った今、熱帯雨林には無謀な殺し合いの恐れから解放されたワオラニ族の明るい賛美がこだまし、草葺きの家からは感謝の祈りやあどけない孫たちの元気な笑い声がきかれるようになったのです。


使徒行伝7:59,60「こうして、彼らがステパノに石を投げつけている間、ステパノは祈りつづけて言った、『主イエスよ、わたしの霊をお受け下さい』。そして、ひざまずいて、大声で叫んだ、『主よ、どうぞ、この罪を彼らに負わせないで下さい』。こう言って、彼は眠りについた。」

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